経済指標って何? どれが重要? 詳しく、わかりやすく解説します!

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こんにちは! FX SQUARE編集部の葉月です。

さて、今日はトレーダーの皆さんに欠かせない『経済指標』を取り上げたいと思います。

トレーダーの中では耳タコなぐらいよく聞くこの言葉、大事なのはわかるけど、経済指標って一口に言ってもたくさん種類があるし、それぞれがどれだけ大事なのかわからない・・・なんて人も多いですよね。

「雇用が○○%改善した」って、新聞で見ることはあっても、それがどうやって相場に絡んでくるのか、どのタイミングで絡んでくるのかがわからない。

私も経済のことを勉強し始めた頃はこんな感じでした。

FXの初心者の頃は、「経済指標って難しそうだし、とりあえずチャート見てテクニカルで勝負しよう!」と考えてしまいがちですが、経済指標はファンダメンタルズ派の人たちだけのものではありません

経済指標発表の時間前後は、テクニカルを無視した値動きをすることがあるので、普段テクニカルしか見ない人たちも、ポイントについては押さえておきましょう。

実は、経済指標には大事なものとそこまででもないものがあります。トレードを始めたばかりのころは、大事なものをしっかりおさえてれば十分です!

経済指標ってそもそもどんなもの?

そもそも経済指標ってなに? という方のために簡単に説明してみます。まず、Googleで「経済指標とは」って調べると、こんな説明が出てきます。

経済指標とは、各国の政府や経済関連の中央省庁(日本では財務省、経済産業省、内閣府など)、中央銀行(日本では日本銀行)が発表している「経済に関連する統計」です。

経済指標は、経済動向を見るうえでの大切なバロメーターのひとつとなっているため、ファンダメンタルズ分析の中でもとりわけ重要視されています。

出展:外為どっとコム

つまり経済指標というのは、「今この国の経済の状況はこんな感じですよ」ということを発表するものです。

為替相場は、それぞれの国の景気や経済状況に敏感に反応します。

そのため重要な経済指標の発表の前後は、「こうなるんじゃないかな」という市場参加者の予想や、発表後の結果を受けてポジティブに評価されて上がったり、ネガティブに評価されて下がったりすることになります。

特に発表直前直後は、市場参加者の色んな思惑が交差するので、為替の動きは神経質に上下することが多いです。

重要な経済指標って?

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それでは、「経済指標っていっても、いっぱいありすぎてわからない!」という方のために、これだけは絶対に押さえていてほしい重要な経済指標を順番に解説していきます!

★★★ 最重要! 「アメリカ・雇用統計」

「何はなくとも雇用統計! 」 というぐらいに大切な指標です。雇用統計とは名前の通り雇用を指数化したもので、現在の雇用状況が前月と比較して、どの程度改善もしくは悪化したかが発表されます。

雇用統計は1つの指標ではなく、全部で10以上の指標があり、その中でも注目度が最も高いものは「非農業部門雇用者数」、次いで「失業率」です。

どうして雇用統計がこんなに重要視されるのでしょう? それは、アメリカのGDPにおける個人消費の割合が大きいからです。

アメリカのGDPは個人消費が7割を占めると言われています。

アメリカは、景気が悪くなるとすぐに従業員を減らす傾向にあるので、失業率に景気の状態が反映されやすいんですね。

仕事がなくなったら、節約せざるをえませんよね? ですから失業者が増えると、個人消費が落ち込みます。逆に失業者が減ると、個人消費は増加します。そのため、雇用状況はアメリカのGDPに、大きく影響を与えることになります。

ではなぜ、雇用統計の中でも、失業率よりも非農業部門雇用者数の注目度が高いのでしょうか? それは、これら2つの雇用統計の特性の違いが関係しています。

失業率 約6万世帯の一般家庭を対象に調査をしているため景気にやや遅れて変動するという特性がある
非農業部門雇用者数 約40万の事業所の給与支払い帳簿をもとに集計をしているため、月ごとの雇用者数をいち早く把握できるという特性がある

つまり、非農業部門雇用者の方が規模が大きく、景気動向をより敏感に察知できるということですね。

それに加えて、発表時期が月の上旬ととても早いことも注目度が高い一因となっています。

月に一度の為替相場のお祭りですね。

発表時期

毎月第1金曜日(場合によっては第2金曜日)の午後10時半(サマータイム中は午後9時半)

★★★ 最重要!「アメリカ・FOMC政策金利発表」

ニュースでは「FOMC(エフオーエムシー)」と略される「FOMC政策金利発表」です。

FOMCの正式名称は「連邦公開市場委員会」という名称で、日本の「日銀金融政策決定会合」に相当します。

FOMCでは、アメリカの今後の金融政策についての方針を話し合い、政策金利が決定されます。

政策金利とは、中央銀行が一般の銀行にお金を融資する際の金利のことを指し、景気が良い時は通貨の流動性が下がるように金利が高く設定され、景気が悪い時は通貨の流動性が上がるように低く設定されます。

政策金利が変化すると通貨の流入や流出が起こるので、政策金利は上がっても下がっても、トレーダーにとっては注意が必要です。

そして金利の発表と共に注目したいのが声明文! この声明文にどう書かれているかよって、今後のトレンドが一気に変わってしまう可能性もあります。

FOMCは年8回、約6週間ごとにワシントンの理事会議室で1日~2日間開催され、最終日にその結果が発表されます。

発表時刻は深夜で、多くの人が寝ている時間だと思いますので、翌朝は結果と合わせて声明文もぜひチェックしてみましょう!

発表時期

年8回、原則6週間毎の火曜日、もしくは火曜日・水曜日の2日間にわたり開催。結果の公表時刻は日本時間の午前4時15分(サマータイム中は午前3時15分)

★★★ 最重要!「アメリカ・GDP」

GDP(国内総生産)は、期間内に新たに生み出された商品やサービスの総額のことで、3か月に一度発表されます。

速報値・改定値・確定値と、同じ国の同じ時期の数値が複数回発表されることが大きな特徴です。

その中でも最も注目されやすいのは、最初に発表される速報。その後の改定値や確定値は、予想と大きく変わらなければ指標が発表されてもあまり変化はありませんが、速報値と大きな変化が出ないと思われている分、予想外の数字が出た時は要注意です。

GDPの数値は国の経済成長率を指すもので、アメリカに限らずどの国の指標としても非常に重要です。

自分が保有している通貨の国のGDP発表のタイミングは、必ずチェックしておきましょう。

発表時期

4月・7月・10月・1月の下旬頃の午後10時半(サマータイム中は午後9時半)

★★ 重要!「アメリカ・小売売上高」

小売売上高とは、百貨店やスーパーマーケットやコンビニといった、小売業者の売上額をまとめた指標のことです。

多くの国で消費活動は経済規模の6割以上を占めるため、経済の動向を見ていく上で重要視されている小売売上高ですが、中でもアメリカは世界経済の中心であり、更にGDPの項目で解説したように、経済規模における個人消費の割合が他国と比べて高いことから、圧倒的に注目されています。

注目度は雇用統計と肩を並べる程といっても過言ではありませんが、発表時期が雇用統計よりも遅いこともあり、急激な為替変動は起こりにくいために重要度は★をひとつ減らした「重要」としました。

発表時期

原則として翌月第9営業日の午後10時半(サマータイム中は午後9時半)

★★ 重要!「アメリカ・ISM製造業景況感指数」

ISM製造業景況感指数とは、ISM(Institute for Supply Management:供給管理公社)が、約350の製造業者の購買や供給を管理している役員に、生産・新規受注・在庫・価格雇用などの項目でアンケートを実施して、その結果を前月と比較し「良い」「変わらず」「悪い」から選択してもらい、パーセンテージで表したものです。主に景気の動向を示す指標として注目されています。

その数値は50を分岐点とし、30や70と言った数字で表され、50を上回っていると好景気、50を下回っていると景気後退を示すといわれています。

この指標の特徴は、「好景気の時に50を上回る数値を出してもあまり重要視されない」など、景気の状況によって注目度が変わることです。

そのため、景気後退が心配されるような状況で50を下回る数値が出てしまうと、悲観論が一気に相場に広がり暴落につながることもあります。発表のタイミングも翌月第1営業日と非常に早いことから、景気転換の先行指数として注目されています。

発表時期

翌月第1営業日の午前0時(サマータイム中は午後11時)

特別編「要人発言」

指標もないはずなのに、なぜか大きく為替が動くことが時々あります。

そういった時、ニュースを探してみると、各国の要人が重大な発言をしていたというケースが非常に多いです。

ここで言う要人とは、各国政府や中央銀行、有名投資家などといった重要なポストに就いている人のこと。決まった日時に発表される経済指標ではありませんが、為替相場に影響を与える影響はとても大きなものです。

なぜ要人の発言が注目されるのでしょうか?

それは、こういった人たちの発言には「これから政府はどういう方向で進めるつもりなのか」という情報が隠されているからです。

日本で為替に関係する要人といえば総理大臣、日銀総裁や副総裁、財務大臣や財務閣僚といった経済閣僚などが代表的なところでしょうか。

例えば、ドル円相場が1ドル=92円の時に財務大臣が「ドル円相場は95円前後の水準が望ましい」と発言したとしましょう。

それを聞いたトレーダーが、その発言を「為替介入するかもしれない合図」と捉えたら、そこから大きく円が売られ(ドルが買われ)、円安に向かいます。それまで円高方向でも、トレンド転換することもあります。

ちなみに、上記の例は実際にあった出来事です。

菅直人の画像「ドル円相場は95円前後の水準が望ましい」 2010年の1月、鳩山由紀夫内閣にて、菅直人氏が財務大臣に就任した際の会見で発言。これを受けてドル円相場は短時間で50銭以上も円安に加速した。 image by flickr

実際のアクションを起こしていなくても、要人が発言するだけでこれだけの効果があるのです。

政府や日銀が何らかのアクションを起こす前、会見でこういった発言をすることも多く、それだけに市場関係者は要人発言に目を光らせています。

経済指標の結果が悪ければ必ず通貨安になるわけじゃない!

経済指標が掲載されているサイトを見ると必ず、「前回の結果・発表前の市場予想・今回の結果」が載っていますが、注目すべきは発表前の市場予想と今回の結果の差です。

為替は予想と違う結果になった時に大きく動きます

つまり予想がプラスだったのに結果がマイナスだったり、プラスでも数値が予想よりも極端に小さかったり。そういったネガティブな結果が出ると為替は大幅下落する傾向にあります。

逆に言えば、マイナスの結果が出たとしても、市場予想よりもマイナス幅が小さければそれがポジティブに評価されて上昇することもあるということです。

為替の動きは、単純に結果が良かったかどうかで判断されるものではありません。

「市場予想と比較してどうだったか」を見ることを心がけましょう!

経済指標の予想と結果はどこで確認できる?

ほとんどのFX会社は「経済指標カレンダー」というものを用意しています。これは名前の通り、いつどんな経済指標が発表されるかを一覧したものです。以下の画像は、Yahoo!ファイナンスが提供している経済指標カレンダーをスマホで表示したものです。

経済指標カレンダー画像経済指標カレンダー 発表済みの経済指標の予想と結果の差や、これから発表される指標を確認できる。

経済指標カレンダー – Y!ファイナンス

基本的に書いてある内容はどこの会社のものも同じですが、デザイン性や更新頻度、得られる情報量などで会社ごとスペック差があるので、いろいろなカレンダーを見比べて自分に合ったものを選んでみるといいでしょう。

更新頻度ならFX STREETが提供している「リアルタイム経済指標カレンダー」もおすすめですね。PC向けのサイトですが、スマホでも閲覧可能です。

リアルタイム経済指標カレンダー|FX STREET

経済指標の発表時、ポジションはどうすればいいの?

一番おすすめなのは、取引しないことです。

もちろん、突発的に値動きが激しくなるので、うまく乗れば普段より大きな利益を手にする可能性もあります。

ですが、指標発表時にはスプレッドが広がることも多く、うまく決済ができなかったり、逆指値を入れたものの急な値動きに対応出来ず、思っていない値段で約定してしまう・・・そんなこともよくあります。

日ごろから経済ニュースに精通していて結果がある程度予測できる人でも、為替の動きを確実に読むことは難しいです。

指標の発表時はなるべくエントリーを避け、持っているポジションは事前に決済しておきましょう。

エントリーの際に見る経済指標として注意しておきたいものは、上述の重要な経済指標に加えて、自分が保有している通貨の国の経済指標です。

また、ドルは基軸通貨で、アメリカは世界経済の中心。保有している通貨がドルでなかったとしても、アメリカの経済指標の結果は、どの国の通貨にも大きく影響を与えるので注意が必要です。

トレード初期の頃は経済指標を見る癖がなく、うっかり指標発表のタイミングでポジションを持ってしまうこともありがちです。「毎朝通勤時に確認する」「トレード前に確認する」など、ルールを決めてチェックする習慣を身につけましょう。

まとめ

今回は初心者の方が押さえておきたい経済指標のあれこれをまとめてみました。

冒頭でもお話ししたように、経済指標はファンダメンタルズ分析をする人たちだけのものではありません。

経済指標発表時のトレードは「しない」にしても「する」にしても、発表のタイミングや重要度やさえ分かっていれば、ポジションをどうするのか、トレーダー自身が選択できます。

ですが、発表のタイミングをうっかり忘れてしまったり、そもそも重要なものが分かっていなかった場合、回避できたはずのリスクを知らず知らず負ってしまうことになります

あくまでも私の見解ですが、FXの世界でリスクの管理は最重要課題です。大げさな話ではなく。

負ける必要のないところで負けないように、重要な経済指標はぜひチェックして、ポジションをどうするのか、自分と向き合ってもらいたいな、と思います。

そして少しづつ慣れてきたら、「経済指標発表=エントリーを避ける」だけではなく、発表された結果を受けて為替がどう動くのか、観察してみるのもおすすめですね。