アメリカの金利引き上げの影響についてシンプルにまとめてみた

usa-Interest-rates

こんにちは!FX SQUARE編集部の葉月です!

最近(2016年9月初旬現在)マーケットは「アメリカがいつ利上げをするのか」に話題が集中してますね。

「利上げをすると何か経済に影響があるらしい」とは分かっていても、それがFXのトレードにどう関わってくるのか、興味はあっても具体的にイメージできている人はどのくらいいるのでしょう?

今日は、「アメリカの金利引き上げ」について、新聞に載ってるような情報じゃなく、FXのトレードに関わる点からお話ししたいと思います!

そもそも「利上げ」って何?

利上げとはFOMCが行うもので、正式には「政策金利の引き上げ」のことを指します。

FOMCって何?

FOMCの会議画像

FOMC(連邦公開市場委員会)とは、アメリカ経済界の金融政策を決定するために、アメリカ経済のトップ十数名を委員として定期開催される委員会である。

政策金利を引き上げるってどういうことかと言うと、「金利を引き上げることで、市場に出回っているお金の量を調節して、景気にブレーキをかけますよ」ということ。

アメリカは2008年のリーマンショックをきっかけに経済が著しく低迷しました。そのためFOMCは景気の状態を改善するために金利を引き下げることにしました。

それも一度ではなく、様子を見ながら複数回行われました。(これをQE1、QE2、QE3と言います。)

そして最終的には「ゼロ金利」という、お金を借りるのにほぼ利息がかからない状態にまでなりました。

アメリカ経済はこれによってある程度持ち直すことができ、当初の金利引き下げの目的は達成されました。

ですが、これは景気の状態が悪化してしまったが故の、いうなれば緊急措置で、経済の健全な状態とは言えません

だからアメリカは、できれば早く金利を引き上げたいと思っています。ただ、利上げを行うというのは前述したように景気にブレーキをかける行為

せっかく潤ってきた景気を自らの手で再度不景気へ転落させる可能性もあることから、引き上げには非常に慎重です。


2015年12月には、FOMCで0.25%の利上げが決定し、2008年12月から継続してきた事実上のゼロ金利政策は解除となりました。

これも、前から話が出ていたものの、2015年に問題になったギリシャのデフォルト問題や中国経済の低迷などによって、なかなか実行にうつすタイミングがなく、ようやくマーケットが落ち着きつつある年末に満を持して実行されたもの。

利上げ直後は好感されたような印象を受けましたが、その後しばらくして原油価格が暴落し、再燃する中国市場の低迷によって、世界的な株安へとつながりました。

そのため、元々は2016年3月と予想されていた2回目の利上げのタイミングが、時期尚早との見方で2016年9月現在も見送りの状態が続いているわけです。

マーケットの中心であるアメリカの金利の引き上げというのは、世界経済への影響は甚大なので、実行にはとにかく慎重です。

ただ、現在のマーケット環境から、いよいよ2016年9月のFOMCでは利上げが行われるのでは?との見方が強くなってきています。(2016年9月2日の雇用統計の結果が良いとはいえないものだったので、またマーケットの見方が変わっている可能性はありますが・・・)

利上げによる影響って?

為替に関する影響

2008年から継続していたアメリカのゼロ金利は、米ドルへの投資を鈍化させました。

米ドルを持っていても、米国債を購入しても利息収入が見込めず、魅力がなくなったからです。そのため、企業や投資家はリスクを取ってでも金利が高い新興国の通貨や国債に投資をしました。

ところが、アメリカが利上げをしたら、わざわざ高いリスクをとって新興国に投資する必要がなくなります。

その結果、今まで新興国へと投資をしていたお金が再度米ドルに集まり、新興国の経済は鈍化傾向になることが考えられます。

それに加えて、元々低金利の日本との金利差が拡大することから、金利の低い円を売って米ドルを買う、いわゆる「円安ドル高」の流れが加速する可能性があります。

実際に2016年9月初旬現在、ドル円相場は利上げを織り込んで円安方向に進みつつあります。

為替以外の影響

①アメリカ企業の株価が下がる?

相場のセオリーで、金利が上がると株価が下がると言われています。

多くの企業は、銀行からお金を借りて事業を行っているので、金利が上がると利息の支払い額が増えるので、利上げは業績悪化につながると考えられているからです。

アメリカの企業業績の悪化は、取引のある世界中の企業に影響を与えるために、アメリカの株安は世界の株安に連鎖する可能性があります。

②日本企業の株価も下がる?

日本の株式市場は外国人投資家の投資比率も高く、アメリカのマーケットの影響を強く受けます。

そのため、アメリカの市場に引っ張られて下がる可能性もあります。

ただ、株価が下がり続けることになるのかというとそうではなく、基本的に為替が円安方向に傾くと、外国人投資家は少ない円で日本企業の株を買うことができるので、どこかのタイミングで思わぬ買いが入る可能性もあります。

まとめ

ここまでの話をふまえると、利上げした時の基本的な流れとしては、為替はドル高に向かい株価は下落方向に進む可能性があると分かると思います。

じゃあ、利上げをすると絶対ドル高になるかというと、それは発表されてからの反応を見てみないと分かりません。

この利上げについての話題はもう1年以上も前から言われていることなので、マーケットが既に織り込んでいる可能性もあるからです。

もしも織り込まれていた場合、仮に2016年9月のFOMCで利上げが決定したところで、マーケットは何の反応も示さない可能性があります。

むしろ「ようやく利上げが決定した!」という達成感から一時的にドルが売られドル安になることだって考えられます。

これがマーケットの面白いところです。

マーケットは人の心理で動くので、「アメリカが利上げしたら円安になる」とみんなが思って初めて為替が動くのです。

これを聞いて、「結局、どうなるか分からないんだったら知る必要なんてない」と思う人もいるかもしれませんね。ただ、私は「為替が今、どちらに向かいやすい流れを持っているか」を知ることは、非常に重要だと考えています。

FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長やフィッシャー副議長、ニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言から、年内の利上げ観測が高まりつつある中、次回のFOMCは2016年9月21日に開催されます。

なんとこの日は、日銀の金融政策決定会合と同日です。

2015年12月16~18日の値動きの画像ドル円相場2015年12月中旬の値動き FOMC利上げと、日銀声明の影響差がわかるチャート。すでに半ば織り込まれていた利上げも相場に1円近く値動きをもたらしたが、国債購入の平均残存期間延長などを発表した日銀声明はそれ以上に乱高下をもたらした。

ビッグイベントが重なるこの日に向けての動向はしっかりチェックしておきましょう!